終盤の安全牌:スジ・カベ・現物・字牌の残り枚数
安全牌はひとつのものではありません。強さの違う4種類の根拠であり、それを混ぜて使うと、13巡目に「安全に見える牌」を打ち、6巡前に失効した仮定の上で計算していたことに気づきます。
この記事の要点
- 強さの順は、現物、4枚見えのカベ、スジ、字牌の残り枚数。
- スジが否定するのは両面だけ。良形が消費された終盤はカンチャン・ペンチャン・シャボ・単騎が残り、スジの信頼度は大きく下がる。
- カベは方向がある。3pが4枚見えなら2pはシャボと単騎だけになるが、4pは56pの両面が残る。左右を別々に確認する。
- 現物は消耗品。何枚持っているかで、あと何巡耐えられるかが決まる。1枚の安全性よりこちらが重要。
一、4つの根拠、4つの強さ
現物は相手が自分で切った牌です。リーチ後はフリテンなので、自分の捨て牌では出あがりできません。その相手に対しては100%安全ですが、他の家に対してはそうではありません。
スジは「相手が両面待ちである」という仮定の上に成り立ちます。両面は必ず3つ離れた2枚でできています(23は1と4を待つ)。相手が4を切っていれば、23を持って1を待つことはできず、1が安全になります。同じ理由で、4を切ると1と7がスジになります。
カベはある牌が4枚すべて見えている状態です(自分の手牌、河、副露、ドラ表示牌のすべてを数えます)。自分を安全にするのではなく、その牌を相方として必要とする形を否定し、結果として隣の牌が安全になります。
字牌は4枚しかないので残りを数えられます。3枚見えていればシャボは成立せず(2枚必要)、残るのは単騎だけ。2枚見えならシャボも可能。1枚も見えていなければ、単騎・シャボ・役牌としての使い道がすべて残ります。
二、それぞれが失効する条件
スジの最大の穴は、両面しか否定しないことです。カンチャン、ペンチャン、シャボ、単騎はスジを無視します。序盤は良形が多くスジは信頼できますが、終盤は良形が和がられたか自分で切られたかで消え、残る待ちに愚形の比率が上がります。そこでスジは効かなくなります。
カベの穴は片方向しか効かないことです。3pが4枚見えている場合、2pを待つ形は13pカンチャン、34pリャンメン、22シャボ、2単騎です。前半2つは3pを必要とするので消え、2pはシャボと単騎だけになり非常に安全です。ところが4pを待つ形には56pリャンメン(4と7待ち)があり、これは3pを必要としません。同じカベでも、2pは安全、4pは「やや安全」でしかありません。
現物の穴は尽きることです。1枚使うたびに減り、終盤はあと5から8巡耐えなければならないことがよくあります。現物が2枚しかないのに6巡耐える計画は、最初から成立していません。
字牌の穴は役牌です。客風の生牌は終盤すでに危険で、場風と自風はさらに危険です。役牌でもあり、鳴かれれば相手に役が付き、単騎やシャボの価値も上がるからです。
三、終盤の確認順序
1つ目は現物を「枚数」で数えることです。1枚の安全性ではなく、あと何巡安全に打てるかを先に確認し、そのうえで最も確実な1枚を今使うか決めます。
2つ目はカベを探すことです。4枚見えの牌があるなら、その左右がそれぞれ何を否定するのかを書き出します。「カベの隣は安全」とまとめないことです。
3つ目はスジで、割り引いて使います。リーチが遅いほど、河に良形の捨て牌が少ないほど、スジの価値は下がります。
4つ目は字牌の残り枚数です。3枚見えの客風、2枚見えの客風、生牌の客風、生牌の役牌の順に危険になります。
5つ目は、その牌が利用されるかどうかです。安全は無害とは違います。打った牌を鳴かれれば、副露と速度を相手に渡すことになり、終盤ではこのコストが安全性そのものより大きいことがよくあります。
四、局面1:スジと形が同時に問われる
南3局、自分は3位。手牌は123m 55p 78p 23s 東東 99s で、5sを引いて1枚切ります。下家がリーチで、宣言牌は4p、河には1pと6sがあります。
根拠を並べます。4pが切られているので1pと7pがスジになり、手牌の7pはスジ牌です。6sが河にあるので9sもスジです。紙の上では9sも7pも切れます。
形を見ます。9sはスジで、しかも么九牌です。9sを待つ形は78sリャンメン(6sで否定済み)、99シャボ、単騎だけで、危険度はかなり低い。7pもスジですが、7pは自分の78pリャンメンの片割れで、切れば受け入れ8枚の形を壊します。しかもまだ2シャンテンで、攻撃形を崩す資格はありません。
結論は9s切りです。同じスジでも、片方は自分の手を壊し、片方は使う予定のない牌を捨てるだけです。根拠の強さは同じで、代償が違います。
五、局面2:カベは片側しか守らない
11巡目、相手がリーチ。3pは河と副露に3枚見えていて、自分が1枚持っているので4枚すべてが見えています。手牌には2pの対子と、孤立した4pがあり、どちらかを切ります。
2pを待つ形は、13pカンチャンと34pリャンメンがどちらも3pを必要とするので成立しません。残るのは22シャボと2単騎で、リーチ相手ではどちらも低確率です。
4pを待つ形は、35pカンチャンと23pリャンメンが同じ理由で消えますが、56pリャンメン(4と7待ち)は3pを必要とせず生きています。さらに44シャボと4単騎もあります。
したがってここは2p切りで、「3pのカベの隣だから4p」ではありません。カベは方向を持つ根拠なので、使う前に左右の形をそれぞれ書き出します。
六、局面3:現物は最後の1巡のために残す
13巡目、相手がリーチ。手牌に現物は9mが1枚だけ。ほかに西(河に2枚、自分に1枚で3枚見え)と、生牌の北があります。
西は3枚見えているのでシャボは成立せず、残るのは単騎だけで、外にあるのは1枚だけです。北は1枚も見えておらず、単騎・シャボ・国士の単騎待ちがすべて可能です。客風なので役の価値はありませんが、危険度は西より明らかに高い。
この巡は西を切り、9mは次の巡に残します。理由は「西の方が9mより安全」ではなく、「9mは唯一確実な牌で、選択肢がなくなる巡のために取っておく」からです。現物の価値は時間とともに上がるので、早く使うのは保険を前払いするのと同じです。
よくある質問
スジは絶対に安全ですか?
カベはどう使えばいいですか?
現物は必ず安全ですか?
字牌は何枚見えていれば安全ですか?
本記事は学習・練習用です。ギャンブルには反対します。牌局と数値は説明用の例で、収益を約束するものではありません。
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