立直と副露:同じ手牌、2つの結末
副露は「行動が1つ増える」のではなく「選択肢がいくつか減る」ことです。同じ聴牌でも、畳むか畳まないかで点数は2倍から4倍変わります。まずこの差を計算してから、鳴くかどうかを決めます。
この記事の要点
- 同じピンフ両面聴牌:門前立直なら2翻30符2000点、副露すると役牌のみ1翻30符1000点。
- 立直は1翻だけではありません。裏ドラ・一発・門前清自摸和という、それぞれ1翻の機会が3つ付いてきます。副露では1つも取れません。
- 副露が買うのは「今すぐ聴牌」。受け入れ45枚の一向聴が、鳴いた瞬間に6枚の聴牌になることがあります。
- 門前を捨てる価値があるのは「確定役+速度」の組み合わせ。すでに完成したピンフ両面を崩す価値はありません。
一、まず2つの結末を計算する
同じ形を、まず門前で見ます。123m 456m 789p 22s 34s の13枚、2sと5sの両面待ち、名目8枚です。立直をかけると立直+ピンフで2翻30符、子のロン2000点。ツモなら3翻20符で、子から700点・親から1300点の計2700点です。ドラが1枚あれば3翻30符の3900点になります。
次に畳んだ場合。789pを、場風の東をポンした面子に置き換えます。手牌は3面子+22sの雀頭+34sの両面で、待ちはまったく同じ。しかし役は役牌の東だけで1翻30符、ロン1000点、ツモは300点と500点です。
同じ聴牌、同じ当たり牌で、点数は半分です。これは「副露は悪い」という話ではありません。「この手牌は副露を必要としていない」という話です。副露の価値は副露そのものではなく、それで買ったものが差額を埋められるかで決まります。
3つの形を並べると差はもっとはっきりします。タンヤオの手牌は、門前立直+タンヤオ+ピンフで3翻30符3900点、畳むとタンヤオのみ1翻30符1000点。混一色の手牌は、門前立直+混一色で4翻40符8000点、畳むと混一色2翻30符2000点。倍率はそれぞれ2倍、3.9倍、4倍です。
この数字は「だから鳴くな」という論拠ではありません。副露で節約した1巡が、この点数に見合うかどうかを測るための為替レートです。
二、立直の1翻以外に何が付くか
表面上は1翻ですが、実際のリターンは4つ重なっています。
裏ドラ:立直した手にしか裏ドラは付かず、1枚めくれれば1翻です。ここが最も過小評価されている部分で、手牌は変えず、和了後にしか現金化されない収益を足します。
一発:立直後1巡以内の和了でもう1翻。計画はできませんが、立直全体の期待値を押し上げます。
門前清自摸和:1翻で、副露した手には付きません。だから門前の手はロンよりツモのほうが高くなりがちです。上の手は2翻30符のロンで2000点、3翻20符のツモなら700点と1300点で合計2700点です。
4つ目は翻ではありません。立直の宣言そのものが場への圧力になることです。他家は自分のために安全牌を抱え、攻めを遅らせます。この価値は点票に載りませんが、確かに存在します。副露も情報は公開しますが、この圧力は生みません。あなたがもう立直をかけられないことを、相手が知っているからです。
三、立直のコスト
振聴:宣言後に自分が切った牌ではロンできません。自分の当たり牌の一部を、相手に見える形で自分から閉じることになります。
固定:立直後はツモ切りしかできず、手牌は変えられません。中盤なら守りに転じられた手が、立直後は押し切るしかなくなります。
情報:宣言牌とその後のツモ切り列で、手牌の範囲を卓上に書いたのと同じになります。相手の読みは「推測」から「消去」に変わります。
つまり立直は「聴牌したから宣言する」ものではなく、「この局は守備力を点数に換える」という宣言です。着順でリードしている、他家がすでに立直している、自分の待ちが愚形である。この3つが同時に来るとき、立直の理由はたいてい成り立ちません。
四、副露が買うもの
1つ目は速度ですが、速度は「1枚減った」ではなく枚数で数えます。
234m 567m 345p 6p 8s 東東 の13枚、一向聴、受け入れは13種45枚。上家が東を切ったのでポンします。暗牌は10枚になり、8sを切れば3pと6pの聴牌、名目6枚です。
このポン1回で、「45枚の一向聴」が「6枚の聴牌」に変わりました。聴牌は今すぐ、枚数はその代償です。この取引が得かどうかは残りの巡目で決まります。5巡目の6枚聴牌が、5巡目の45枚一向聴より早く和了できるとは限りません。
2つ目は確定役。門前の手にピンフもタンヤオも役牌もなければ、聴牌しても無役でロンできず、立直が必要になります。役牌をポンすれば役は確定し、立直が通るかどうかに賭けず、振聴も負いません。
3つ目は形の固定。混一色・清一色・対々和・三色同刻は、もともと副露で速度を出す役です。翻数は1段下がりますが、最後の形をツモに頼らなくて済みます。
五、門前を捨てる価値がある形
価値がある4つ:① 役牌の対子+一向聴で、ポンすれば受け入れが倍になり確定役も付く。② タンヤオが成立していて、今すぐ和了りたい。③ 混一色・清一色で、門前では完成しないが副露なら形が決まる。④ 対々和・三色同刻のように副露前提の役、そしてドラが多く速度で現金化するしかない手牌。
価値がない4つ:① すでに完成したピンフ両面(上の手で2000点が1000点になります)。② 受け入れ40枚以上の門前一向聴(2巡以内に自分で聴牌できます)。③ 場に立直がある(副露すると棄和に使う暗牌がありません)。④ 親でリードしている(必要なのは打点で、速度ではありません)。
一行でいえば、副露は「この局が早く終わる」ことを買い、「この局が小さく、引き返しにくくなる」ことを売ります。どちらが必要かで決めます。
六、実例1:鳴くべき役牌
東2局、あなたは子。6巡目に 234m 567p 34s 68s 東東 北 の13枚、一向聴、受け入れ3種12枚です。
この手の門前価値は低い。タンヤオは付かず(北は客風の么九牌)、68sはカンチャン、和了しても立直の1翻が精一杯です。つまり門前ルートの上限は1000点で、しかも2s・5s・7sを自分で引かないと聴牌できません。
上家が東を切ったのでポン。暗牌10枚、北を切って 234m 567p 34s 68s の一向聴になります。受け入れは7種24枚。同じ向聴のまま、受け入れが12枚から24枚に倍増し、役牌の東も確定して、いつでもロンできます。
点数は変わりません(どちらも1翻30符1000点)。速度は2倍になり、立直のリスクも消えました。このポンは明確に得です。
七、実例2:鳴くべきでない45枚
同じ局の後半、9巡目。234m 567m 345p 6p 8s 東東 の13枚を抱えています。一向聴、受け入れ13種45枚。あと2巡も引けば、ほぼ確実に自分で聴牌できます。
ここで対面が東を切ります。ポンすると暗牌10枚、8sを切って3pと6pの聴牌、名目6枚、役は役牌の東1翻だけです。
45枚の一向聴を、6枚の聴牌に交換する。多くの場合これは損です。45枚なら次の牌山の3分の2近くが自分に有効で、6枚の聴牌は2種類の牌を各3枚待つだけです。今すぐ和了らなければならない事情(南場で大きく負けている、残り2局など)がなければ鳴きません。
判断の順序は、まず門前の受け入れを数え、次に鳴いた後の聴牌の枚数を数え、最後に「今すぐ和了る必要があるか」を見ます。1つ目が十分大きければ、答えはたいてい「鳴かない」です。
よくある質問
立直はいつも副露より高点ですか?
鳴いても受け入れが増えない場合は?
なぜ門前ツモはロンより高いのですか?
副露した後で立直はできますか?
本記事は学習・練習用です。ギャンブルには反対します。牌局と数値は説明用の例で、収益を約束するものではありません。
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